作品6: 回転する木のレール

はじめに

作品6をご紹介します。

この作品は、木製レール自体が回転して、ビー玉を次段に運ぶ仕組みを取り入れています。

動かしてみよう

ビー玉をスタート位置から転がすと、まず最上段の固定レールを転がり始め、その後、回転レールに進みます。

回転レールの末端に来ると、ビー玉の重みで回転レールが回転し、ビー玉が次段に落ちます。

次段以降は一段目と同じ仕掛けにしてあります。

回転レールは、ビー玉を落とした後、自動的に元の位置に戻ります。

作り方の簡単な説明

木製軸受 

この作品の1段目から3段目は、同じ構造になっています。

1段目は、左側が木製の基本レールで、長さ92mm。3mm厚 x 20mm幅 x 90mm長 を1枚、2mm厚 x 8mm幅 x 92mm長 を2枚、2mm厚 x 8mm幅 x 20mm長 を1枚用意し、木工ボンドで張り合わせました。

1段目の右側は、回転レールになっていますが、左側よりも少し寸法が小さく、長さ90mm。3mm厚 x 20mm幅 x 88mm長 を1枚、2mm厚 x 8mm幅 x 90mm長 を2枚、2mm厚 x 8mm幅 x 20mm長 を1枚用意し、同様に木工ボンドで張り合わせました。

この回転レールのように、回転するものを作るとき、悩ましいのは軸受けですね。少し工夫が必要です。作り方はいろいろ考えられますが、シンプルで作りやすい方法にしたいものです。

この作品では、5mm厚 x 20mm x 20mmの小さな木片を使用し、これに深さ3mm強, 幅3mm強の溝を掘って軸受けにしました。溝を掘ったこの木片を回転レールの裏に木工ボンドで張り付けてあります。

回転軸は3mm径の丸棒を使用しているので、掘る溝を3mm強 x 3mm強としています。あまり緩すぎず、かつ、きつすぎて回転しないということにならない程度に調整しながら掘っています。

軸受については、またの機会にいくつかご紹介したいと思います。

木製おもり 

回転レールには、木製おもりを取り付けています。これは、回転レールの末端にビー玉が到達した時に、ややゆっくりと回転させるという目的、そして回転してビー玉を次段に落としたあと、元の位置に戻すという目的に取り付けて有ります。

3mm厚 x 5mm角の白木のウッドピースです。東急ハンズで、「天然木の美」という商品名で販売されています。これを2枚貼り合わせました。

これを回転レールに貼りますが、その位置によって回転する様子や、うまくもとの位置に戻るかどうかが決まります。また、重すぎると回転しませんので、張り合わせたあとに鉋で少し削っておもさの調整をした箇所もあります。

写真では見にくいですが、回転レールの下部に小さな木片を取り付けてあります。これがストッパーとなり、動画のようにビー玉を次段に落としたあと元に戻る動作をします。

回転軸の端にはラワン材の丸棒を10mmの長さに切って、挿し込んであります。これにより、回転レールが抜け落ちないようにしています。

固定レールのストッパー 

この作品の2段目から4段目の固定レールは、ビー玉が転がる始点にストッパーを設けています。

これは、ビー玉が上段から落下してきたあと、固定レールの始点を飛び越えて落ちてしまうことを防いでいます。

取り付けるボードのサイズがもう少し大きくて、横幅を十分に取れるならば、このようなストッパーではなく、ビー玉を受ける木製レールの部分を長めにしておけばよいのですが、この作品ではサイズの制約からこのような構造にしています。

おわりに

レールが回転するタイプのおもちゃは、木製レールを回転させるための重さのバランスや、物理的に干渉しないためのサイズ決定など、試作してみて気づくこともたくさんあります。最初は失敗つづきですが、完成したときはなかなかうれしいものです。

作品はほんの一例ですが、ビー玉を転がす木のおもちゃを自作されるときの参考にしてみてください。



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